ブログ

神戸港からの輸出を考える時、気をつけたいポイントとは?

2015/03/25

★神戸港から輸出を考える前に

神戸港は自然条件・立地ともに恵まれた天然の良港で、開港した慶応三年から国際貿易の代表港として活躍してきました。

現在では、

1、近場の関西圏の貨物
2、中国・四国、九州、北九州、東海西部と言った遠隔地の貨物
3、アジア諸国や欧米間のトランシップ貨物

と言った大きく分けて3種類の層からなる貨物を集荷しています。

神戸港を選択するメリットとしては、神戸外国人居留地でもおなじみの通り欧米系の貨物に強く、ヨーロッパへの輸出入を選択する際におすすめです。

逆にデメリットとして、神戸港からの輸出を選択する際に気を付けるポイントがあります。

それは、不定期で取扱頻度が低く安定性が望めない貨物へのサービスが切り捨てられやすく、コストが上昇してしまう場合があるという点です。

pixta_12646172_S-334x200.jpg

★なぜ神戸港からの輸出でコストが上昇してしまうのか?

神戸港からの輸出でコストが上昇してしまうのは貨物量の減少からターミナル稼働率が低下し、単位当たりのコスト上昇]が起こる事で港湾関連企業の利益率が低下し、物流サービスの多様性の縮小・神戸港の独自性の減少が起こる事で、また貨物量の減少へと繋がってしまうという悪循環が起こっているからです。

近年の高度化・多様化する要請に対応した臨海部空間整備の必要性から運輸省が長期的な港湾整備政策として、「21世紀への港湾」を掲げ各港湾の活性化、空間的分散政策を行った結果、神戸港だけでなく他港の物流サービスが充実するようになりました。

その結果、神戸港に一極集中する形ではなく、他の港へと貨物が分散するようになったのです。

すると、他の港で取り扱われるようになった貨物の分、以前よりもターミナルの稼働率が低下してしまいます。

ターミナルの稼働率が低下するとコンテナ一本当たりの港湾関連コストが上昇するため、収益性の低い貨物を切り捨て、提供する物流サービスの幅を見直すか、あるいは高くなったコストを値段に上乗せする事で補い対応しなくてはならないのです。

結果として、取扱が不定期かつ取扱頻度が低い安定性の低い貨物に対するサービスの提供が切り捨てられてしまうか、提供するサービスの価格が上がってしまうという悪循環に陥ったのです。

ですので、神戸港のサービスの縮小や値上げ、他港のサービスの充実等相対的にみるとコストが高くなってしまうケースがあるのです。

pixta_1929377_S-334x200.jpg

★南港からの輸出でコスト削減

南港は関西、特に大阪における主要窓口へのアクセスが良く、時間や輸送コストを見直すことができます。

迅速な対応が期待できるのはもちろん、大阪南港では中国への輸出入が盛んで、中国やアジア諸国との貿易に強いと言うメリットがあります。

大阪のお客様や中国・アジア諸国との取引をご検討のお客様は輸出する際に南港を選択すると、より良い物流サービスを受ける事やコストの削減をする事ができるでしょう。


★まとめ

神戸港から輸出する際に気を付けるポイントは「コストが他港と比べて上昇してしまう場合がある」と言う事です。

近年の物流サービスの多様化により、神戸港は相対的に見て「欧米への輸出に強い神戸港」と言うメリットと「貨物によってコスト上昇の可能性」を持つというデメリットを持つようになりました。

中国・アジア諸国への輸出は神戸港だけでなく、南港からの輸出も見直してみる事で、思わぬコスト削減が実現できるかもしれません。